凜一シリーズを読み返して①

凜一シリーズを初めて読んだときは、先が気になりすぎて一日で一気に読んでしまいまして、細部まで読んでおりませんでした。
(あと、若葉のころの氷川さんがカッコ良すぎて、すべて爆散しました)
夏休みにメモを取りながらゆっくり読み返したのですが、奥が深すぎてそれから何回も読んでしまいます。
人気の理由がうかがえます…

いろいろと考えたことを整理するために、文や図にしてみようと思います。
あくまで個人的な見解ですので、なんか言ってるな~くらい薄目で見ていただけますと幸いです。

もっと重めのトピックスは後日にして、軽めの話題から始めます。

凜一くんの好きな人ランキング

突然大発表される、凜一くんの好きな人ランキング。
しかも最下位の千迅さんに。何が何でも遠慮が無さすぎる…

それは置いておいて、このランキングを眺めていて、何か順番はあるのかな?と考えてみたのが下図です。

甘えたい⇔壊されたい

青緑軸は、凜一が「甘えたい」と思う相手と、「壊されたい」と思う相手の軸です。
1位の氷川さんに甘えたいし、凜一のことを理解している千尋さんや暁方さんにも「氷川くんに甘えろ」と言われるほど。
氷川さんの寛容さに、凜一が驚きを隠せないこともしばしば。
ただ、凜一くんは甘えるのが苦手なので遠慮してしまいます。

千尋さんは時々裏切ってくるものの、親代わり・兄代わりで凜一のことを思いやってくれます。
本人はしんどいのかもしれないけど…泣
結婚してしまったので、全面的には甘えられないのも切ないです。

逆に凜一に容赦ない有沢・千迅に対しては、凜一も遠慮なく振舞うことができ、そばにいて心地いい。
ただし、凜一くんが欲する時しか寄っていかないし、自分勝手なので不憫です。
殴るのはヒドイなぁと感じますが、凜一くんもだいぶ消しかけていますしね…

内面開示度高⇔低

紫軸は、凜一に対し内面開示度が高い人と低い人の軸です。
ちょっと千尋さんと有沢さんの順が微妙ですが、氷川さんと千迅さんは真逆にいると思います。

氷川さんは感情が態度に出やすく、その点が凜一も助かっているとあります。
また、お兄さんのことを凜一”だけに”話せたというのは、誰かに寄り添いたい凜一にとって大きな糧になるのではないでしょうか。

一方の千迅さんは常に本音を悟らせない(何かあったのかな?とふとした横顔で感じるけど、踏み入らせない)、結局何が本心なのか徹底して分からせない。若葉のころで凜一くんは「ハッキリ言ってくれないと分からない」と怒りますが、千迅さんに「お前だって自分の都合でしか声掛けないだろ」と切り返されます。そりゃごもっともです。

シリーズで一貫してテーマとなっているのが、『表面vs内面』についてかと思いますが、
それについてはまた後日…

凜一くんは気分で選ぶ花を変えないそうですが、壊れたいときとか遠慮しなくていい相手は選んでるよね、とちょっと感じます。笑
気が多いというより、寂しいんだよね凜一くん…って思ってます。

凜一の飲み物

凜一が飲み物を飲むときに入れるものに関してのちょっとした妄想で…

①白昼堂々で凜一と千尋さんが苹果酒を飲むシーンと、
②『彼等』の最後、氷川さんと夜をともに過ごすシーンの飲み物の比較から見る、凜一の心情について。

千尋さんは(先生に倣って) ミルク+紅茶+蜂蜜+苹果酒
一方の凜一は、”千尋さんの差しだす蜂蜜を断って” 紅茶+苹果酒

単に、凜一は甘さ無い飲み物が好きなんかな~くらいに読んでいました。

『彼等』の最後、氷川さんと夜をともに過ごすシーン(このシーンが最高過ぎるという話は置いておいて)、凜一は珈琲を淹れて飲みます。

云いわけが欲しいからといって(可愛すぎる)、たっぷりのブランデー

糖蜜

甘くしている……?!
と少し引っかかったわけです。

振り返ると、その後起きたイベントとして
苹果酒のあと:学校へ試験の不正を告白しに行く
珈琲のあと:氷川さんと一緒に寝る!!
だったわけで

蜂蜜を断ったのは、千尋さんに甘えませんという意思表示と(朝も「甘えたくない」と言い放っている)
逆に糖蜜を入れたのは、氷川さんにちょっと甘えたいな♡という気持ち
だったら最高に可愛いな~~云いわけしたいのに~?え~~??どうしよう困っちゃう!!と思ったのでした。氷川さんに教えてあげたい。

化粧井戸

ムック本の中で長野さんが「これは凜一ではなく、本当は千迅の性質」と言っていたのを発見して、注目して読み返しました。

化粧井戸=虚に共鳴する

としたらば、千迅さん8歳のときから悲しみの予兆が無いかい…と勝手に切なくなりました。
子どものころに千尋と泊まった時に、千尋は怖いと泣いたくせに千迅より早く寝ちゃったというのは、その後の人生を予感させるエピソードだと感じました。
千尋さんは結婚して、千迅さんは独り…
どんだけ罪深いんだこの異母兄弟は…

百合さんも泣いて、千迅さんが安心させるために返事して、
最後に千迅さんが寝たのかな、寝られなかったんかな…たぶん寝られなかったんじゃないかな…(凜一でも寝られないのだし)

しかも千尋さんは先に寝ているので、千迅さんが寝られなかったと知らず、翌朝のんきにおはよう!なんて言ってきた日には…

超絶拡大解釈すると、千尋さんと千迅さんは幼い頃にずっと一緒だよって約束したのに、約束を忘れて先に千尋さんが結婚してしまった(千迅さんはバッチリ覚えてる)という設定が隠れていたらどうしよ?困る。

千迅さんの人生すべて切な過ぎないか?と思ったのでした。

余談ですが化粧井戸は誰にも見つけられない=内面は誰にも分からないということの比喩かなと思いました。

こうやって書き出してみると、そんな感じもするし違うような気もしてきて、頭が整理されます…
今回はこれくらいにしておいて、また出来たら書き連ねたいと思います。
氷川さんと凜一がなぜ好き合ったとか、表面vs内面の話などを…